【告知?解説?】Obtain The Future セルフライナーノーツ【M3秋-2019】


どうもみなさん、けぷとんです。


今月末にいよいよM3秋-2019が開催されます。今回は、そこで頒布される新譜「Obtain The Future」のライナーノーツを、私けぷとん自身で書き起こしてみました。
自分書いてるのに本人曰くとかいう謎の表現が登場してますが、そこはそういうノリだということで此処はひとつ。各楽曲のモチーフとなったものがもしかしたら見えてくるかもしれません。楽曲と併せて、楽しんでいただけると幸いです。



本作の試聴動画はこちらです↓



Track List


  1. 跳ねる命 → https://youtu.be/9xKI_2y8aiw
  2. You're My Healer → https://youtu.be/VdW6Dd3AjhE

  3. Mysterious World → https://youtu.be/iesUjbqEet4
  4. 光のゆれる水面
  5. 冷たい夏
  6. Slow, Into The Sorrow
  7. Go Ahead Without Tears
  8. 二度と戻れない
  9. Happy Twilight
  10. わかれみち
    --- Bonus Track ---
    You're My Healer (Electric Version)

リンクのあるものはすでにフルで聴くことができます。



Obtain The Future — Overview


前作は、一枚のアルバムではなくアラカルトをまとめた印象があったが、今作から1枚のアルバムとしてのまとまりを意識した制作になった。そのため、インタールードの要素を持ったシンプルな楽器構成の曲が途中に入っている。音楽のジャンルとしてはインストながら様々なジャンルのエッセンスを含んでおり、改めてMelodic Instrumentalと銘打っている。

アルバムタイトルについて、本人曰く「"自分の力で"未来を掴み取るというイメージに一番近い単語としてobtainが一番しっくり来た。ちょっと堅い言葉だけども」。また「現実とはちょっと違う世界を描いてる曲がいくつかあって、そういった異世界から自分が進歩するヒントを得て、"前に進む=未来を獲得する”という意味も含まれている。ちょっとファンタジーな感じ」と述べている。

前作から引き続きジャケットデザインはけぷとん、加えて、ブックレットのデザインもけぷとん自身が行なっている。超自然および自然をモチーフにしたこともあり、テーマカラーは緑。ジャケット、ブックレット内で使用された写真は、けぷとん本人が実際に日本の各地を訪れて撮影した写真から採用された。

1. 跳ねる命

きっかけははイントロのメロディ


アップテンポなナンバー。この曲のもととなったメロディは長年脳内で流れていた候補の中から採用され、ほぼそのままイントロになっている。サビはそのメロディから発展させたもので、メロディとリズムの一体感が意識されている。タイトルは、サビの部分で激しく跳ねているようなイメージを感じたことに由来している。

2. You’re My Healer

シンセサイザーでギターっぽいリフを


リズムギターのようなリフをシンセサイザーでできないかと考えていた時にできた一曲。ミドルテンポかつ馴染みやすいポップなメロディが特徴。四分音符で刻むリズムシンセは、英国のハードロックバンド、Def Leppardの「You Got Me Runnin’」からアイディアを得たもの。ドラムスが一筋縄ではいかない天邪鬼なリズムなのもポイント。Bonus Trackとして、本楽曲のシンセサイザーを歪ませてエレキギターのサウンドに少し近づけたバージョンが収録されている。

3. 怪

怪しさと少々の淋しさ


木琴のようなメインのメロディから始まり、徐々にそのほかの楽器が登場していくというシンプルな構成。降りしきる雨のSEと相まって、怪しさと淋しさがほのかに漂う雰囲気になっている。ちなみにこの雨のSE、素材自体は10秒ほどしかないが、2トラックでリレーさせるように素材と音量のオートメーションを配置し、終始雨の音が響くように配置をしている。

4. Mysterious World

まごうことなき隠り世のイメージ


このアルバムの核となる曲の一つ。初めて、イントロの直後にサビのメロディが来る構成となっている。雰囲気としては、1stアルバム収録の「妖」に近いものがある。音的な特徴としては、シンセベースが中央ではなく左右に広がりのあるタイプの音色であったり、様々なSEが随所に散りばめられている等、聴きどころが満載である。

5. 光のゆれる水面

偶然生まれたフレーズをそのまま録音したものを採用


ピアノとシンセストリングスのみのシンプルな構成。ピアノがチープな音になっているが、これはKingKORGのピアノ音源をギターアンプから出力し、それをiPhoneのボイスメモで録音したものをそのまま使用しているためである(よく聴くノイズが混じっていることが分かるかもしれない)。

6. 冷たい夏

きっかけはアニメのワンシーン


深いリバーブとエコーを効かせたシンセストリングスが音全体を終始包み込むバラードナンバー。このアルバムの中で演奏時間が最も長い。当時アニメとして放送していた「凪のあすから」を家族が見ていて、偶然ワンシーンだけ一緒に見たことがきっかけでこの曲のイメージが生まれた。タイトルについては本人曰く「音として全体的に涼しさや(色々な意味での)冷たさを感じる印象があって、こういうタイトルにしたのかも」と回顧している。

7. Slow, Into The Sorrow

東方っぽい音楽を作りたかった


R&Bの要素を取り入れたスローテンポなナンバー。このアルバムの中では特にマイナーキーのモノ悲しい雰囲気が前面に押し出されている。当時、東方Projectの楽曲を大量のMIDIノートに落とし込んでピアノアレンジした動画のシリーズを度々視聴しており、本人曰く「東方の楽曲の主旋律がすごく印象に残っていたので、自分でもそれを意識して作ってみようと思った曲。だけど作ってみたら全然違うものになってしまった。とはいえ、今でも特に好きな曲の一つ」。

8. Go Ahead Without Tears

アニソンっぽいリズムを求めて


ピアノと激しいドラムスが緊張感を生むアップテンポなナンバー。1/8拍分だけフライングする形でドラムスが展開を変えていく構成は「アニソンのOPみたいなもの」を意識している。こちらも本人が特に気に入っている曲の一つ。

9. 二度と戻れない

ピアノ主体のシンプルな構成


ピアノがメインのバラードナンバー。本人が色々あって少し落ち込んでいた時にできた曲。徐々にストリングスが盛り上がっていく構成が特徴。このピアノとストリングスというシンプルな構成は、癒し系の楽曲を多数世に送り出しているEnyaのスタジオアルバムに必ず一曲は収録される、ピアノ主体の楽曲からヒントを得ている。

10. Happy Twilight

エレクトロニクス × アップテンポ


エレクトロニクスの要素が含まれた一曲。アップテンポで気づきにくかもしれないが、リズムマシンの音色は、1stアルバム収録の「6/8」と同一のものを用いている。曲の各所に1小節だけメロディが置かれているのが特徴。こちらはエレクトロニクス系のアーティストOwl Cityの「Angels」から着想を得たもの。

11. わかれみち

またいつか会える


本作に収録する楽曲が徐々に出来上がってくるにあたり、最後に持ってくることを念頭において作られた曲。タイトルのように、分かれ道で離れ離れになる二人をイメージしている。しかしそれだけでは少し寂しいため、再び必ず巡り会えるという確信までを表現して締めくくりたいという思いから、サビは出だしがマイナーコード、終わりがメジャーコードとなっている。

Bonus Track — You’re My Healer (Electric Version)


オリジナルバージョンの制作時のアイディアである「エレキギターの音」に少し近づけることを意図して、シンセサイザーの音色を歪ませたバージョン。ちなみにリズムシンセの左右のチャンネルがオリジナルバージョンと入れ替わっているが、これは単なる遊びである。



おわりに

このような感じで書いてみましたが、自分で「本人曰く」とかタイピングしててちょっと不思議な感じでした(笑)

兎にも角にも、今作も色々とこだわりが詰まった一枚になっているので、もしゲットしていただけた暁には、隅々まで楽しんでいただければと思います。




では、また。

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